徳島県海部郡美波町は、1870年に建設され、町の経済を支えた廻船問屋「谷屋(たんにゃ)」において、地ビール醸造し、起業、運営を行う地域おこし協力隊(応募者提案型)の募集を1月4日(月)より開始した。美波町として、今回初めての試みとなる。
【参考URL】
https://www.town.minami.lg.jp/docs/2114130.html 国登録有形文化財の廻船問屋「谷屋(たんにゃ)
今回のプロジェクトで地ビール醸造所になる予定地は、美波町日和佐地区日和佐浦の古い漁村集落の町並みを残す「あわえ」にある廻船問屋「谷屋(たんにゃ)」。
谷家は、恵まれた海・山・川の自然環境を活かし、幕末頃から廻船問屋(海運業)を始め、明治末期まで営んでいた。初代は、元禄14年(1701年)生まれ、山間部の相生町(現・那賀町)からこの地に出てきて、天秤棒1本で名を成したという。
この谷屋の家屋は、繁栄した時代に有能な職人を住まわせ建てられたものではないかと言われている。
2017年には、「主屋、ミセ、産屋、表門及び塀」が国登録有形文化財に登録された。
主屋東側離れで地ビールを醸造
2015年に始動した「谷屋活用検討チーム」は、調査や家内の清掃等を含め、全11回、活用方法や運営管理について、多くの町内関係団体(NPO法人ひわさまちおこし隊、観光ボランティアガイド会等)、そして地元町内会である戎町町内会などが参加し、議論を重ねてきた。
今回募集に至った主屋東側の離れで地ビールの醸造を行う案が活用案の一つとして提案された。
一方、保存改修工事は先行して行っていた「主屋、ミセ、産屋等」の改修工事は2020年10月に竣工し、来年度、2021年度には地ビール醸造所になる予定の主屋東側離れの耐震改修工事等に着手する予定。 (慶尾六郎)