地域体験のCtoCマッチングサービス「TABICA(たびか)https://tabica.jp/」を運営する株式会社ガイアックスと、2017年2月より提携を開始した佐賀県多久市は、着地型観光体験の開発をおこなうべく、新たな企画として「多久市偏愛紀行」を開始した。
これにより、両者は、国内外観光客の増加によって市全体の生活水準の向上と、人口が減少する地方自治体における地域活性化のロールモデルとなることを目指す。
生産年齢人口比率が約50%まで低下する恐れ
2019年現在で人口約18,000人の佐賀県多久市においても、自然減少に加えて若者の社会減少がとても多く、2040年には老年人口比率が約40%へと上昇、さらに生産年齢人口比率が約50%まで低下してしまう恐れがあると予想されている。
このままでは各地方自治体の経済規模の縮小を防ぐことができず、それにともなう生活水準の著しい低下など、さらなる深刻な状態を招いてしまうことが考えられるという。
そのような背景から佐賀県多久市では、高齢者が活躍できる社会づくりや人口流出への歯止めを1つの大きな目標として掲げ、2016年11月24日にシェアリングシティ宣言を行った。
1年間で多久市の魅力を生かした着地型の観光体験が実現
その中で、ガイアックスは約1年半の期間、政府の考案する「地域おこし企業人交流プログラム」の制度を活用し、TABICAから1名を派遣、その仕組みを活用しながら地域コーディネーターである多久市観光協会と共同で観光コンテンツの開発をおこなった。
その結果、1年間で多久市の魅力を生かした着地型の観光体験が新たに65体験提供され、300人ほどの、市内を含む県内や県外からの交流を生んだという。老若男女問わず体験を提供する「ホスト」として、多くの方が活躍しているという。
着地型観光体験の共同発掘とサイトの開設を
両者の新たな取り組みとなる「多久市偏愛紀行」では、より一層地域に住む人や地域資源に根ざした着地型観光体験の共同発掘と新たなWEBサイトの開設による、マッチング数の最大化を図っていく。
「溢れる愛に、会いにいこう!」をキャッチフレーズとして、人の「偏愛」な部分や地域資源をコンテンツの起点とすることで、特に高齢者で活躍する「ホスト」にとっての生きがいや、やりがいの創出と、体験に参加する「ゲスト」にとっての新しい発見による感動の創出を加速させていく。 (慶尾六郎)